東日本大震災から一年、リスクマネジメントについて考える
国家の最前線で活躍したプロが語る
これからの時代に求められる危機管理
株式会社都市開発安全機構
代表取締役社長 金重凱之

国家の最前線で培ってきた経験・ノウハウを民間で生かす

昭和44年、警察庁(中央官庁)に入庁して以来、警察はもとより、外務省、防衛庁(当時)、内閣府など、常に国家の最前線で危機管理を担当してきました。
警視庁(東京都)では、首都の第一線で危機管理の実務を学びました。

そもそも、警察は危機管理を仕事としています。例えば、一生に1度あるかないかの殺人事件や交通事故に遭遇して、家族や関係者はどう対応したらよいか戸惑ってしまうでしょう。警察は、こうした事案に対してあらかじめ決められた危機対処の手順に従って冷静に対処していくのです。私は、そんな組織で鍛えられました。
また、ワシントンDCの日本大使館に勤務して、当時、東西両陣営がうごめく国際政治の舞台で安全保障という危機管理の課題に取り組みました。

一方、防衛庁では、湾岸戦争のころでしたが、軍事面の国際的な危機管理の仕事に従事しました。
さらに、内閣総理大臣秘書官として、3代の総理大臣にお仕えし、危機管理の分野を中心に内閣官房や関係省庁に係る仕事を担当させていただきました。

このように、私の役人生活を振り返ってみると、危機管理というキーワードでひとくくりすることができます。退官後、この経験・ノウハウを民間で生かせたらと、会社を設立しました。

危機管理とは、最悪の事態を想定して最善の措置を講じること

官と民という違いはあっても、危機管理の考え方は同じです。

まず、企業にとって、どんなリスクが想定されるのか、それを特定することから危機管理は始まります。
そして、想定されるリスクに対して、優先順位を考慮しながら対策を立てるのです。例えば、「地震は必ず来る」と想定するから地震対策が出てくるのです。「○○メートル以上の津波は来ない」などと甘い想定をすると、それを超える津波に備える対策は出てきません。「最悪の事態を想定」しなければいけません。どの程度のリスクが最悪事態かを見極めることは重要です。
その上で、リスク発生の確率、リスク発生時の経済的ダメージの程度、リスク発生時の社会的影響度などを勘案して、対策に取り組む優先順位を決めるのです。全てのリスクに対して、対策がとれればいいんですが、費用対効果上、困難でしょうから、対策に優先順位をつけるという経営判断が重要になります。

次は、リスクが実際に発生したときの応急対策。“あらかじめ取り決めていた手順”に従って、スピード感をもってテキパキと対応する。それは、対策本部を編成したり、対策チームを招集することから始まります。その際、例えば、地震発生後に、本社に直ちに駆けつけることができない遠距離に住んでいる役員を編成表に入れても、それは机上の空論になります。「最善の措置」が取れたとは言えないんです。実態に沿った行動基準が必要になります。

こうしたことは、事前段階での訓練を重ねることによって、担当者がそうした“手順”に習熟し、また“手順”の一部が機能しないことが発見され、より実践的な“手順”に改めることができるのです。

次の巨大地震に備えるためには、土地のDNAを知ることから

近い将来、大規模地震が起こると言われています。社員やその家族を守るため、お取引先やステークホールダーを守るため、そして会社の事業を継続・発展させるため、企業は社会的責任を果たさなければいけません。

人間は、それぞれ代々受け継がれてきたDNAを持っています。教育環境、社会環境などの影響を受けつつも、このDNAがすべての行動の源(みなもと)です。
会社も、同じように生きており、外部環境の影響を受けつつも、社風という企業DNAによって企業活動を推進しています。
同じように、土地(地球)も生きており、DNAを持っているのです。地震、津波、液状化などは、こうした土地DNAの活動の結果なのです。

私たちは、まず、自分自身を、自分の会社、そして地域社会を知ることから始める必要があります。土地DNAのハザードマップ上で、どのようなリスクにさらされているのか。それを知ることから対策の一歩が始まるのです。

株式会社 都市開発安全機構

【事業内容】

  • 危機管理コンサルティング

  • ビル再生コンサルティング

  • ビル運営コンサルティング

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