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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22

BCPって常識?

揺れがおさまったら・・・発生直後の初期活動(数分後~数時間)

壁にヒビ割れ(クラック)が!!ビルに居てもいい?それとも避難するべき?

壁にヒビ割れ(クラック)が!!ビルに居てもいい?それとも避難するべき?
  • 避難階段の壁にヒビ割れが!!このままビルに居てもいい?それとも避難するべき?(品川区・システム開発)
  • ビルに戻るのが恐いと、会社に戻るのを拒否した人がいた(中央区・金融系)
  • ビルがどのくらいの地震まで耐えられるのか知らなかった(千代田区・団体))

実はヒアリングをさせていただいた中で一番多かった質問は、「ビルに留まるべきか、避難すべきか」というものでした。「どうしたらいいのか分からず、路上でさまよった」「他の会社の人が戻っていたのを見て、なんとなく戻った」という声が多く、中には「ビルの中に入るのが恐い。もう会社に戻りたくないと言われてしまった。どうしよう・・・」と悩んでしまった方もいらっしゃいました。

これらの声に共通して言えるのは、地震時にとるべき行動が決まっていなかったということ。そして同時に「ビルの耐震性についての情報」を持っていなかったことがあげられます。

対策火災が発生していなければ基本的にビル内で待機。ビルの耐震基準をあらかじめ確認しておこう。

地震が起こったら、外に避難するのではなく、オフィス内で身の安全を確保することが基本です。(ただし火事の発生や倒壊などの危険性がある場合、またはビルの管理員などが避難を指示したり、行政から避難指示が出た場合はそれに従いましょう)

耐震基準

というのも建物は、1981年6月以降の基準で建てられたいわゆる「新耐震基準」の建物であれば、中地震(震度5強程度)に対しては、ほとんど損傷を生じず、大地震(震度6強程度)に対しても、部分的被害は発生しても、建物倒壊による人命の被害が起きない強度をもたせることを目標としているからです。(天井パネルや照明器具などが落下する危険性はあるので、安全空間を見つけることが大切です。)

もちろん、新耐震基準の建物そのものも絶対に倒壊しないとは保証できません。それでも、危険は少ないというのは間違いないでしょう。

それに比べ1981年6月以前の基準である「旧耐震基準」で建てられたビルは、「新耐震基準」よりも安全性が低いので、倒壊の危険性も高くなります。不安を感じた場合は避難をしましょう。東京都区部では約3割のビルが1981 年以前に竣工したという推計もあります。

被害状況

ただし、「新耐震基準」以前の建物であっても、その基準を満たす設計になっていたり、耐震補強がなされている建物もあるので、管理会社などに問い合わせ、ビルの耐震基準を確認しておくと良いでしょう。

ちなみに阪神淡路大震災では、「新耐震基準」の建物で7割以上が「軽微・無被害」でした。1981年以前の建物と比較するとその差は2倍以上。こういったことからも、「新耐震基準」の地震に対する安全性が高いことが分かります。

参考壁のヒビ割れ(クラック)は問題ないの?

今回の地震により、東京でも多くのビルで専用室内や階段室などの壁にひび割れ(クラック)が発生しました。実際に目にして、ビルの耐震性に不安を抱いた方もいらっしゃると思います。

通常、専用室内や階段室などの壁は「非構造部材」が主ですので、そこに入ったヒビ割れはビルの「構造」部分の耐震性とは直接関係しません。崩れて落下した部材で怪我をしないよう注意しなければなりませんが、ビルから避難するまでの必要はないケースがほとんどでしょう。

ただし、ビルの躯体となる柱や耐震壁など「構造」壁のひび割れとなると注意が必要です。実際、そういった安全チェックは難しいので、ビルの管理会社や専門家に問合せて確認するのが賢明でしょう。