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東日本大震災の際に困った首都圏オフィスの事例22

BCPって常識?

初期活動が終わったら・・・判断、対応

備蓄品はまったく用意していなかった

備蓄品はまったく用意していなかった
  • 備蓄品はまったく用意していなかったが、震災後に水と食料を購入した(中央区・アパレル)
  • 食料がないので買い出しに行ったが、どこも売り切れだった(港区・教育関連)
  • 備蓄は必要だとは思うが、置き場所がない(江東区・不動産)
帰宅に関する方針の内容(初回)(方針を示した企業)[単一回答]

震災前に備蓄品の用意はありましたか?テナントへのヒアリングでも、「古い備蓄品はあったけど、移転した時、全部捨てちゃった」という声や、「全く考えてなかった。買いに行けば良いだろうと。でも、どこに行っても売り切れでした」というように、備蓄品を用意していなかったという会社の方が多いようです。

東京都の調査では、「備蓄はしていなかった」との回答の割合は約20%ですが、当社ヒアリングなどの感覚からすると、もっと割合は高いのではないかと思います。

ただ、それまでは備蓄品はいらないと思っていた会社でも、東日本大震災を契機にその意識は変わってきています。購入したものとしては、最低限の水と簡単な食料という会社が多いようです。それと同時に「消費期限が短くてコストがかかる」といった声や、「オフィスが狭くて置き場所がない」といった悩みも出てきているようです。

対策一番困るのはトイレ。水や食料だけでなく、簡易トイレも準備しておこう。置き場所をコンパクトにする工夫を。

東京都のアンケートによると、備蓄品として用意していたものの1位は「懐中電灯」、2位は「食料」、3位は「ラジオ」、4位が「水」という結果でした。もちろんこれらも必要なものではあるのですが、備蓄品の上位に挙げられていない「トイレ」(6.3%)。実はこれが一番切実な問題になったりします。お腹がすいたのはある程度我慢できても、「トイレ」だけは我慢ができませんよね。

給水方式イメージ

「でも、トイレって水が止まらない限り大丈夫でしょ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。一概には言えませんが、電気が止まるとすぐに水も止まってしまうビルもあるからです。「増圧直結給水方式」といい、受水槽を設けず、道路給水管からの水を給水ポンプ(電力)によって直接配水するタイプで、停電時には即断水してしまいます。

一方、水をポンプの力(電力)によって、ビルの屋上までくみ上げ、一旦、屋上の水槽に貯水し、そこから重力によって水が下の階に流れる仕組みになっている「高架水槽給水方式」などの場合には、停電時でも水槽内に水がある間は、水が供給されます。ただしこちらも、なくなるのは時間の問題です。今回の震災でも、都内の一部では停電が発生していますから、「簡易トイレ」は備蓄品として必需品と言えるかも知れません。

(写真)圧縮袋に入れられた毛布
(写真)圧縮袋に入れられた毛布

また、あまり必要がないと思われるも知れませんが、「簡易トイレ」と同時に「毛布」も重要です。これまでは、社員をオフィスに待機させるという考え方がなかったかもしれませんが、今後は「待機」させることを前提として備蓄品を考え直す必要があります。実際に当社でも、震災当日はとても寒かったので、毛布が大活躍しました。

「備蓄品の管理が大変だ」という声も多いのですが、最近は食料品でも保存期間が20年というような長期保存が可能なものも出てきているので、購入する際には検討してみると良いかもしれません。

そして、備蓄品の置き場所について。省スペースのために、非常用袋を社員の椅子にそれぞれ引っ掛けたり、机の下のスペースに置いたりする会社もよくあります。毛布も写真のように圧縮すると、かなりの省スペースになりますので、アイデアとして取り入れてみてはいかがでしょう?

参考これからは企業に備蓄が義務づけられる?

東京都では、地震や水害など大規模災害時の帰宅困難者対策として、企業に水や食糧の備蓄を義務づける条例案を検討することを明らかにしています。また、それに先駆け港区では、「港区防災対策基本条例」が施行されました。今回の震災でも区内では大量の帰宅難民が発生し、自治体だけで対策を講じるのは難しいとして、区内の事業者に協力を求める内容となっています。約4万5000の企業や店舗などに対し、帰宅難民向けの食料と飲料水の備蓄を求める「努力規定」を盛り込んでいます。