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「移転先の物件は決まったから後はよろしく!」現場の移転担当者に投げられる瞬間

出所:ザイマックス不動産総合研究所

事務所移転の際、物件選定までは、社長や取締役クラスが決定権を持ち、主導していくのが多いのに対し、物件が決まった後、オフィスレイアウト、入居にまつわる通信・電気回線などの工事やオフィス家具の選定・購入などの段階になると、主導権がとたんに総務などの移転担当者にうつることが多々あります。これはオフィスのレイアウトは実際に事務所を利用する社員が主導で進めた方がスムーズ、また回線工事やオフィス家具の購入などといったものは、手間のかかる面倒な業務なので、上層部はそういった事まで手が回らないのも一因のようです。

そしてその移転の手続き・手配業務の負担を裏付けるかのように、移転を経験した方へのヒアリング結果によると、レイアウト・入居工事が最も苦労したという答えが約半数を占めたのです。事務所探しは大変ではあるものの、ある意味、楽しさを含んでいるものでもあり、物件見学の手配は仲介会社が行ってくれるため、自ら手配することが比較的少ないでしょうが、レイアウト・入居工事が、細々とした内容を移転担当者が主体的に社内の調整を進めていかなければなりません。

最後は「エイヤー!」でやるしかない?

オフィスレイアウトや入居工事が苦労するのは、社内外で関わる人物が多くなり、意見やスケジュールの調整に手間を取られるのが主な要因のようです。また、移転先ビルの建築的な制限もあるため、思い描いていたレイアウトが組めなかったりして、何度も書き直しをしなければならなくなったという体験談はよく耳にします。実際にヒアリングで聞いた声をいくつかご紹介します。

  • スケジュールに余裕がないのに、社内の意見をまとめてようやくできあがったレイアウト図をビル側に提出したら、防災的な制限で間仕切り壁の位置がそれじゃダメだってことになって・・・。何度も書き直しました。
  • 看板を自社のロゴデザインでビル内の数箇所に設置しようと思ったら、後から設置場所や大きさ、色などに制限があると知りました。
  • 専用の自家用発電機を設置したいと思ったけど、重すぎて室内にはおけず、屋上におくにも空きスペースがないことが後からわかった!
  • 経費削減のために内装工事や電話工事、引越し業者や工事業者など複数の業者をネットで探して、それぞれに発注。すべての窓口を自らでやりましたが、毎日電話に追いかけ回されました。お金を払ってでも、どこかの会社にまとめてお願いすればよかった・・・。

こういった担当者の苦労がうかがい知れるコメントを聞くことが多いのですが、中には「苦労したことはない」というコメントもありました。

  • レイアウトそのものよりも、どの部署をどこに配置するのか社内の意見が色々別れて、それぞれに注文も出たけど、全部を聞いていたらとてもじゃないけど間に合わない。もう最後は「エイヤー!」で押し切っちゃいました。でも、引っ越した後そんなにクレームも出ていませんから、何とかなっちゃうもんです。
  • ビルを紹介してくれた仲介会社からレイアウト業者を紹介してもらい、そこが全ての窓口になってくれました。私に直接、業者から連絡が来ることもなかったので、苦労もなくスムーズに進められました。
  • 内装はかなり凝ったデザインにして楽しみました。引越し当日までどんなデザインになるのかは社内に内緒で進め、移転時にみんなを驚かせました。

移転担当者は普段の業務をこなしながら並行して移転を進めなければいけないことがほとんどだと思われますので、レイアウト決めやそれにまつわる工事や手配は、もちろん経費はかかりますが、プロにお願いすると負担軽減につながります。ただし、社内の意見調整に関しては移転担当者でなければできませんので、意見がまとまらない時は、押し切る強さも必要かも知れません。

ただ確実に言えるのは、いざ移転先が決まってからも業務は山積みで、息をつけるのはまだまだ先だということ。そしてレイアウトを決めたり引越しまでの段取りをつける以外に、「社内調整」と「(入居する)ビル側との調整」に想像以上の時間と手間がかかる・・・これがヒアリングで見えてきた姿でした。

<調査対象> 2010年以降にオフィスを移転したテナント134社