いまさら聞けない!
通信回線“基礎の基礎”

オフィス移転やレイアウト変更の時、初めて担当する方がつまずきやすいことが通信回線です。
「どの回線の手配が必要なのかわからない」「プロに頼もうにも、出てくる言葉の意味がわからず業者と会話ができない・・・」といったお悩みも多く聞かれます。

そもそも、通信回線にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、「いまさら聞けない」通信回線の基礎的な用語について、実際に担当者の方々が移転のときに困ったこと、分からなかったことをもとに想定される会話をまとめてみました。

通信回線業者との打ち合わせにて

担当者今後社員数が増えるので、電話回線を増やしたいと思っています。

画像 業者どのくらい必要ですか?

担当者(10人増えるから)・・・10回線、ですか?

業者そんなに増えるんですね!では、デジタルで10回線ですね。何かアナログ回線を引いておいた方がいいものはありますか?

担当者?・・・確認しておきます。

業者PBXは今使っているもので大丈夫か確認させて下さい。あと、IP電話にはしますか?

担当者・・・

電話回線だけでなく、インターネット環境についても聞かなければいけません。

担当者あと、これを期に無線LANにしたいんです。お客様も使えるように。

業者そうなんですね。では、室内にアクセスポイントを設置しましょう。ゲスト用に社員の方が使われているのとは別に回線が必要になりますね。

担当者・・・。他にも営業が外出先からメールを見たいという要望があるんですが・・・。

業者ではVPNを導入した方が良いですね。

担当者

業者営業さんがノートパソコンを持ち歩いているなら、セキュリティの問題もありますから、シンクライアントもご検討されてはいかがですか?

担当者???

業者との打ち合わせの席で当たり前のように飛び交うコトバ。専門的なことはできれば丸ごと委託したい!と思っていても、最低限の用語の意味がわからなければ希望通りの発注をすることすら難しくなってしまいます。

用語解説

ここでは、通信回線業者との会話でよく出てくる用語について、いくつかご紹介します。

アナログ回線

黒電話のころから使われている、「ごく普通の昔からある電話回線」のことです。銅線を使っており、音声がその銅線を伝わって相手に届きます。アナログ1回線につき、1通話しかとれません。つまり、アナログ回線1本で電話ができる人は1人ということです。
EB(エレクトロニックバンキング。オフィスに居ながらにして振込みや入出金照会などの銀行窓口業務を行えるサービス)は、以前は銀行側の対応している回線がアナログ回線のみであり、現在もアナログ回線を使用している企業も多いようです。

※使用できる回線は各銀行のサービスによって異なります。

デジタル回線

音声を0と1のデジタル信号に変換し、アナログ回線で使用していた銅線を通して音声を伝える回線のことです。デジタル回線のひとつにISDN(Integrated Service Digital Network)があります。1本の回線で2通話利用することができるので、誰かが電話をしていてももう1人電話をすることができます。前述の会話では20通話増やすことになり、通話数の目安は一般的に社員の3分の1程度と言われていますので、大幅増員に業者も驚いたということです。

IP電話

IP電話とは、インターネットを活用した電話サービスのことです。インターネットでメールや画像などを送信できるように、インターネットを利用して音声を送ります。そのためインターネットに接続されていれば、距離に関係なく低コストでの通話が可能になります。
以前は雑音が入るなど音質について指摘されていましたが、現在では一般加入電話と遜色ないレベルにまで改善されています。

無線LAN

物理的にLANケーブルで接続していたものが電波に置き換えられたもので、文字通り線が無くてもネットワークに接続できます。PCに繋いでいた回線をアクセスポイントと呼ばれる電波中継機に繋ぎ、そこから発信される電波を通じてネットワークに接続する仕組みです。企業の機密データにアクセスされることなく、ゲストにインターネット環境を提供するためには、社内LANに接続していないゲスト用の回線を引くことが推奨されます。

PBX(構内交換機)

企業内に設置して複数の内線電話同士を接続するために必要な機器のことです。オフィス内の電話機同士で内線を利用するためだけでなく、外線を他の電話機に転送するためにもこの機器が必要となります。機器によって、構築できる電話網の数が変わってくるので、回線を増やす場合には現在使用しているPBXで対応可能か確認する必要があります。

VPN

VPN(Virtual Private Network)とは、インターネット上の任意の2地点間で、他からは見えないトンネルを作ることで、インターネット上で通信しているにも関わらず、あたかも専用線で繋いでいるかのように利用できるネットワーク技術のことです。専用線の導入は、コストが高く通信相手も固定されてしまいますが、VPNはコストを抑えられ、1対多の接続が可能になります。第三者からの不正アクセスを防げるので、外出先からでも社内のファイルサーバーにアクセスできたり、メールをチェックすることが可能になるのです。

シンクライアント

社員がPCで使うアプリケーションソフトやファイル、データなどをサーバで管理することです。つまり、データなどは常にサーバ上にあり、各自のPCにデータは存在しません。近年、企業内の顧客情報の流出など話題になることが多い中、社員のPCに個人情報などの機密情報が残らないため、セキュリティ対策として普及しています。

ただし、VPNやシンクライアントの導入はPC環境の整備や運用ルールの策定など、やらなければならないことが多く発生します。そのため、「移転と同時に進めて苦労した」という声も。実施のタイミングは検討しましょう。

変化の早い通信の世界では、数年前の情報であっても一昔前・・・ということが起こりがちです。通信回線はお客様や取引先と繋がる非常に重要なものです。新しいオフィス開設日に連絡がとれないということにならないように、今必要な情報を揃えられるよう、情報を収集しておきましょう。