危うく予算もスケジュールもオーバー!?
知らないと大失敗する「B工事」

業種
旅行代理店T社
従業員数
55名
坪数
160坪

背景・課題

オフィスの移転時は、準備すべきことが盛りだくさん。中でも大切なのが、工事に関することです。手配することが多いからと先走って工事内容を決めてしまうと、「実は要望に対応できなかった」「当初の見積りと合わない」という事態に陥ってしまいます。また、入居工事や原状回復の際の工事区分も物件によって違うので、後々問題が起こりやすいですから、くれぐれも注意が必要です。

手狭なため移転を決めるも、移転直前にある重大な事実が発覚

画像 中堅旅行代理店T社は、業績の伸びとともに従業員も増えオフィスが手狭になってきたので、同じエリアに新しくできるオフィスビルに移転することが決まりました。
「近所のビルだったので直接オーナーに問い合わせ、仲介会社を介さずに契約しました。無事に契約手続きを終え、移転日も決め、新しいオフィス機器の手配もし・・・と、万事順調に進んでいたはずが、直前になって大きな問題にぶち当たりました」と語るのは、移転担当のU氏。





予定していた工事ができない!?予算とスケジュールで大ピンチに

業種柄、広くとったエントランスに多数の商談スペース、そしてエントランスから目立つところには大きなディスプレイを背にした受付カウンターを入居までに施工する必要があったため、早々から内装工事の計画をたてていたU氏。工事は、過去に何度か依頼したことがある業者にお願いするつもりで、予算とスケジュールを考えていたのです。ところが、その計画をビルオーナーに伝えたところ、予算やスケジュールを見直さなければならない重大な事実が判明したのです。
思いもよらない事態に、U氏は頭を抱えてしまいました。


解決策

仲介会社の営業マンから話を聞き、移転工事に関するルールを理解

画像なんと、入居時の内装工事の施工は、オーナー指定の業者に、テナントであるT社が自己の費用負担で発注しなければならない「B工事区分」であるというのです。T社と付き合いのある業者であれば、費用を含めいろいろと融通が利きます。U氏は過去の経験をもとに予算を考えていましたが、オーナーの指定業者が現地を調査した上での見積りとなるため、予算・スケジュールともに予定していた範囲を上回る可能性が高くなってしまいます。

困り果てたU氏は、旧知の関係にあるザイマックスサガーシアの営業マンに相談しました。すると、営業マンは次のように説明してくれました。
「工事にはA工事・B工事・C工事という3つの種類があり、そのうちB工事とは、テナント様が自らの希望でビルの基準仕様に変更を加えたい場合に、テナント様の費用でオーナー様が指定する業者で施工する工事のことです。
例えば、万が一、工事の際に配管を傷つけてしまうようなことがないよう、ビルの構造を理解している業者を指定して依頼をすることなどがあげられます。消防など安全に関わる設備など、極めて慎重を要する工事もこれに該当します。また設計や施工時の事情も建物によって異なるため、設計に携わっていない工事業者が正確な構造を理解するためには図面を詳細に読み解く必要があり、時間もコストも必要以上にかかります。そうした手順を省略して施工した結果、停電などのトラブルに至ったケースも少なくありません。B工事とは、建物全体をよく理解し責任を持って施工できる業者に任せるべき工事と言えます」


指定業者と打ち合わせの結果、なんとか最悪のケースは回避

営業マンからの説明を受け、納得したU氏は、大慌てで指定業者との綿密な打ち合わせを行いました。結果、当初の予算を少々オーバー、スケジュールも非常にタイトになってしまいましたが、何とか上司から大目玉を食らわないで済む程度で事を収めることができたそうです。

「B工事を指定業者にお願いすることにより、オーナー様はもちろんのこと、テナント様も事故やトラブルから守られます。慣れていない方が聞くと納得ができない部分もあるかもしれません。ですが、こういうビル運営の根底の部分を知ることはとても大切だと思います」という営業マンからの説明を受け、「工事にもいろいろな種類があることを今回初めて知りました。ただし、実態を知れば納得できる話でもあったので、最終的にはオーナーの指定業者に依頼することができました。もっと事前にわかっていれば、予算取りやスケジュール調整に苦労することもなかったですね」と、U氏は冷や汗をかきながら反省の弁を語ってくれました。


ぎゅっと詰まったサガーシアのノウハウ!
工事の常識を知って、トラブルのない移転を!

【POINT1:3つの工事の存在】

工事区分には3つの種類があります。移転にかかる費用が大きく変わってくる可能性があるので、それぞれの意味を正しく理解しましょう。

  • A工事:オーナーの費用でオーナーが施工する工事のこと。主に建物の躯体に関わる工事です。

 ・貸室を形成するための壁、扉など
 ・構造躯体
 ・共用部内装(階段・ELV・便所・給湯室など)
 ・その他、テナント賃貸する建物として標準的に備えているべきであると思われる諸設備

  • B工事:テナントの費用でオーナー(もしくはその指定業者)が施工する工事のこと。主に建物躯体そのものや建物と連続機能を持つ設備、共通性のある設備、特に安全性を保つべき工事(消防関連など)です。

 ・テナントが自らの希望によりビルの標準仕様に変更を加える場合など
 ・テナントがIT機器を多く使いたいために標準仕様の電気容量をUPする工事
 ・テナント貸室内の間仕切りに伴う消防設備の増設工事

  • C工事:テナントの費用でテナントが施工する工事のこと。

 ・貸室内の内装仕上げの一部変更工事
 ・貸室内の配線設備工事

【POINT2:工事スケジュール】

工事内容により異なりますが、音やにおいが出ることが多いため、土日や夜間の施工が中心となります。施工する工事内容やビルの規則によって施工可能な時間が限られるので、必ずオーナーや管理会社に確認し、余裕を持ったスケジュール調整をしましょう。