最近話題の「新耐震」
そもそも何のことだか知っていますか?

業種
医療機器メーカーP社
従業員数
60名
坪数
180坪

背景・課題

今年3月、突如として日本を襲った未曾有の大震災。世界有数の「地震大国」として、さらなる地震の連鎖も懸念される今、いざという時に社員の命を守れるオフィスビル選びは企業経営の最重要課題のひとつと言っても過言ではないでしょう。そんな中、最近ニュースなどでよく耳にするのが「新耐震」なる言葉。今回はその概要に迫ります。

移転先探しも佳境に差し掛かったところで、東日本大震災が発生

好調な業績推移により、年初に「半年後の移転」を決めていた医療機器メーカーのP社。ところが、3月11日に東日本大震災が発生。それまで順調に物件選びが進み、移転先も決定寸前といったところで、話はまさに一転してしまいました。


安全を考えて「築浅」にこだわるも、予算的に厳しく・・・

画像 東日本大震災の発生前、移転先として内定しかかっていたのはかなり年季の入ったビル。大震災発生後、経営陣から「地震が来ても心配ないビル」を探すよう指示を受けた移転担当のE氏は、それなら古いビルはNGだろうと、築年数の浅いビルを前提に移転先探しをもう一度最初からやり直さなければならなくなったのです。

ところが、当然のことながら、築浅となると賃料が高く、希望のエリアだと面積や予算に見合った物件が全然出てきません。いくら探しても自社の移転条件をクリアする物件が見つからない状況を前に、E氏はどうしたものかと頭を抱えていました。


日常業務に追われ、なかなか進まない移転作業

そして、当然のことですが、移転担当者に任命されたからといって、ふだんの仕事をおろそかに出来るわけではありません。とにかく移転先の物件情報を集めれば物事は進みだすだろうと、ネット検索をしてみたのですが、山ほど物件がヒットしてしまいました。
ネットに掲載されている情報だけで判断するわけにもいかないし、だからと言って全てを見学するわけにもいきません。そもそもいきなり情報収集から始めてしまっても良いものか、会社を移転させるのにはどのような作業が必要なのか、何ひとつ予備知識もノウハウもないまま、ただ時間ばかりが通り過ぎていたのです。


解決策

物件探しの幅を広げる、「新耐震」という指標

画像そんな折、E氏はネットで見つけたある物件について問い合わせしたのをきっかけに、オフィス仲介会社ザイマックスサガーシアの営業マンと面談。その席上で、自分が知識不足だったことを知るのです。
「どうして築浅の物件がいいんですか?と聞かれたので、地震でも大丈夫なビルが前提なので、と答えたんです。すると、営業マンの回答は、だったら新耐震基準を満たしている物件を探せばいいんですね、というもの。新耐震という言葉自体、その時が初耳で、最初は何が何だかよくわかりませんでした」と語るE氏。

詳しく話を聞いてみると、新耐震基準とは1981年に施行された現行の耐震基準であること、その施行を境に世の中の建物の耐震性には大きな格差が生じていること、そして実際に阪神淡路大震災での被害に如実に現れていたことが分かったのです。


安全を図る判断材料として有効利用し、希望の移転先をゲット!

ビルの安全性の指標として新耐震基準の存在を知ったことで、必ずしも築年数を条件に選ぶ必要が無くなり、物件探しの間口がぐんと広がったP社。ほどなく、予定よりも安い賃料で立地も形状もばっちりという移転先が見つかりました。
この物件は1981年以前に建てられてはいましたが、耐震補強が施されており、新耐震基準相当の耐震性があるものでした。E氏は次のように語ります。
「新しいほうが安全という漠然とした発想で、最初はただやみくもに築浅物件を探していましたが、新耐震基準を意識することで選べる物件の幅が広がりました。ただし、ザイマックスサガーシアの担当者が言うには、新耐震基準を物件選びのよりどころとするには少しばかり注意が必要だそうです」

新耐震基準を満たしている建物とは、

  1. 1981年6月1日以降に建築確認申請受理された建物
  2. 旧耐震であっても新耐震基準相当である、または耐震補強などにより新耐震基準相当の耐震性を満たしているとの耐震診断結果が出ている建物

以上どちらかの条件に当てはまるものを指します。
つまり、1981年以降に竣工したビルだから安全かと言えば、工事期間のタイムラグで建築確認受理日自体は1981年以前だったということもあるし、それより古くても堅牢なつくりで新耐震基準相当の耐震性のあるビルもあります。単純に竣工年をチェックするだけでは新耐震基準をクリアしているかどうか判断できないということなのです。

安全を図る上での判断材料として、思わぬ好物件に出会えるチャンスにつながる新耐震基準。クリアしているかどうか自分で判断がつかない場合は専門家に尋ねましょう。


ぎゅっと詰まったサガーシアのノウハウ!
あなたの会社のビル、新耐震基準をクリアしていますか?

今やどこの経営者にとっても他人事ではない震災対策。今すぐ簡単にできる取り組みのひとつとして推奨したいのが、まずは自社が入居しているビルが新耐震基準をクリアしているかどうかを確認することです。
「新耐震基準」とは、米カリフォルニアでのサンフェルナンド地震(71年)の影響を受け、建築基準法の改正で1981年6月1日に施行された新耐震設計法のこと。50年に制定された建築基準法をもとに建てられた「第一世代」、新潟(64年)、十勝沖(68年)の地震被害による液状化やRC構造被害をふまえて改正された基準法をもとに建てられた「第二世代」という旧耐震建物に対し、「第三世代」は中程度の地震では被害を生じません。

また、大地震に対して、部分的被害は発生しても、建物倒壊による人命の被害が起きない強度をもたせるように定められています。そして注目すべきはその信頼性。阪神大震災における建物年代別の被害状況を見ても、第一世代の建物の半数が修復不可能な被害を受けたのに対し、層崩壊や生存空間の確保など人命を守るという観点で明らかな差がありました。事実、それ以降、基準強化がなされていないことを考えても、ビルの安全性を図る上で今なお信頼できる指標であることがおわかりかと思います。

今すぐ移転しないにせよ、いざという時のために、自らが置かれている状況を把握しておくことが大切なのではないでしょうか。